「障害者福祉の理念について述べよ。」
Ⅰ.序論
障害者とは、生まれつきかそうではないかに関わらず身体的または、精神的能力不全のために、通常の個人が出来ていることまたは、社会生活に必要なことを行い得ることが、自分自身ではできない人のことを意味する。障害者は福祉の対象者として、特別に扱われるという考え方が現在も根強く残っている。障害者とは、社会の中で異なった需要をもつ特別の集団と考えるべきではなくその通常の人間的なニーズを満たすのに特別な困難をもつ、普通の人間である。
本稿では、障害者福祉の理念の背景にある社会福祉の考え方を確認し全体的な視点を通じて、障害者福祉の分野の現状と課題を考察する。
Ⅱ.本論
障害者福祉の基礎にある理念
現在の障害者福祉の理念の基礎ができるまでの歴史的な背景とその基礎にある理念を概観する。
ノーマライゼーション
1950年代のデンマークにはじまり、日本では、1980年代に国際連合による障害者年の設定を契機に広まった。現在は障害者福祉分野にとどまらず、福祉全般のわたる理念として定着している。全ての障害を持つ人々が、地域で普通に生活することができるようになるというこ...