タッチングがつなぐ患者と家族の絆
―患者に触れることの意味について―
はじめに
看護師は疼痛を緩和し,不安を軽減し,また緊張を緩和するためにタッチングを用いる。1995年北原ら1)は,看護婦が実感しているタッチングの効果について調査している。その結果,看護師は患者とのコミュニケーションや痛みや不安の緩和等を持つ患者に安心感をもたらす手段としてタッチングの有効性を明らかにした。また江口ら2)はタッチされた患者を対象に面接調査を行い,タッチングは,安心感をもたらすばかりでなく,患者の苦痛を和らげる効果があり、看護師と患者のスキンシップにより,相互の関係が深まるコミュニケーションの効果や信頼関係を...