【1】次の記述は○か×か。理由とともに述べよ。
(1)特定物に瑕疵があっても、契約成立時の現状でその物を引き渡せば、引渡債務を履行したことになるという考えを特定物ドグマということがある。
→× 引渡時の現状である(483)
(2)売買契約成立時に目的物が他人のものであれば、その契約は原始的不能により無効となる。
→× 他人物売買は、債権契約としては有効と扱われる(560)。
(3)売買契約の目的物の瑕疵を発見してから売主が2年以上権利行使をしなくても、損害賠償は請求できる。
→○ 724条前段により、不法行為責任は追及できる。
(4)AがBから土地を購入したところ、隣地のCがその土地の一部は自分のものであると主張してから1年を経てしまったら、BはAに権利の一部が他人に属する場合の売主の担保責任を追及することはできなくなる。
→× 判例は、売買の目的である権利の一部が他人に属していたことを知ったというためには、買主が売主に対し担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識したことを要するとするが、そういうためには、買主としては、その主張の当為について公権的判断を持って対処しようとするのが通常であって、そのような主張があったことから直ちに買主が係争地は売主に属していなかったとして売主に対し担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識したということはできないとする。
(5)建物の売買契約が成立したあと、引渡しの前に落雷によりこの建物が消失した場合でも、買主は売主に対し契約解除権を行使することができない。
→○ 契約成立後理効前の債務者に帰責事由のない事由で引き渡し債務が履行不能となった場合は、危険負担の問題(534以下)であり、解除によってではなく引渡債務は消滅する。
【1】次の記述は○か×か。理由とともに述べよ。
(1)特定物に瑕疵があっても、契約成立時の現状でその物を引き渡せば、引渡債務を履行したことになるという考えを特定物ドグマということがある。
→× 引渡時の現状である(483)
(2)売買契約成立時に目的物が他人のものであれば、その契約は原始的不能により無効となる。
→× 他人物売買は、債権契約としては有効と扱われる(560)。
(3)売買契約の目的物の瑕疵を発見してから売主が2年以上権利行使をしなくても、損害賠償は請求できる。
→○ 724条前段により、不法行為責任は追及できる。
(4)AがBから土地を購入したところ、隣地のCがその土地の一部は自分のものであると主張してから1年を経てしまったら、BはAに権利の一部が他人に属する場合の売主の担保責任を追及することはできなくなる。
→× 判例は、売買の目的である権利の一部が他人に属していたことを知ったというためには、買主が売主に対し担保責任を追及し得る程度に確実な事実関係を認識したことを要するとするが、そういうためには、買主としては、その主張の当為について公権的判断を持って対処しようとするのが...