血圧・心拍数の神経性調節(ラット)

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    資料紹介

    ラットを用い,迷走神経の刺激や体性感覚刺激,自律神経作動薬を投与した際の血圧・心拍数の変化を観察し,神経性調節の仕組みを理解する.

    表1,2や図1,2から,電圧や周波数が大きくなるほど心拍数・血圧の変化が大きいことが分かった.しかし,比例的に変化するのではなく,ある刺激点で大きく変化していた.これは,各段階の刺激に対して興奮する神経の数に差があるためだと思われる.また,実際のデータを見ると,刺激してすぐに変化し刺激を止めるとすぐに回復しており,副交感神経系がすぐに作用する様子がよく分かった.

    自律神経作動薬の投与では,どちらも濃度の濃いものほど変化がはっきり表れた(表3,4).アセチルコリンを投与すると副交感神経が作動し,心拍数・血圧ともに下がった.アセチルコリン12.5μ/kgを投与して30秒後に心拍数・血圧が上がっているが,これはアセチルコリンの分解が早いためだろう.心臓に行くまでに分解されてしまい血管にしか働かないため,心拍数よりも血圧によく変化が出たのだと思う.ノルアドレナリンの場合は交感神経に作用し,血圧・心拍数は上昇した.ノルアドレナリンは心臓まで分解されないため,変化は血圧にも心拍数にもよく表れたのだと思われる.
     体性感覚刺激では,ブラシ刺激のような非侵害性刺激ではほとんど変化が見られなかったが,ピンチ刺激のような侵害性刺激には,手と足で血圧・心拍数ともに大きく変化した(表5).これは,手足からの刺激の入力が頚椎や腰椎に伝わるのに対し,腹部からの入力は胸椎に伝わり,反応が弱くなるためだと考えられる.今回の実験で,体性感覚刺激に自律神経が関与する様子がよく理解できたと思う.

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    血圧・心拍数の神経性調節(ラット)
                     
                     
                     実習年月日 2002.6.13 13:20~16:30 
    1.目的
      ラットを用い,迷走神経の刺激や体性感覚刺激,自律神経作動薬を投与した際の血圧・心拍数の変化を観察し,神経性調節の仕組みを理解する.
    2.方法
    2.1〈対象〉 ラット(400g)
    2.2〈方法〉 麻酔したラットを用い,次の項目について観察した.
    迷走神経遠心性電気刺激
    刺激条件:刺激時間20秒,パルス幅0.5ms
    周波数を20Hzに固定し,電圧を変化させた際の反応を観察した.
    電圧を10Vに固定し,周波数を変化させた際の反応を観察した.
    各種自律神経作動薬:各種自律神経作動薬を投与した際の反応を観察した.
    皮膚への体性感覚刺激:ブラシ刺激とピンチ刺激を加えた際の反応を観察した.
    3.結果と考察
    表1 迷走神経遠心性電気刺激(周波数固定)    
    電圧(V) 心拍数 血圧(mmHg)
    (最高‐最低)0376107-591373103-55227...

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