中国政治論の授業のレポートです。今日台頭が叫ばれる中国を軸に、その対米外交を政治的、経済的側面から整理し、今日の米中関係を明らかにした上で、米中に対する今後の日本の態度を考察しています。現代中国政治に関する試験の勉強にも役立つと思います。[3300字程度]
米中関係と日本
【Ⅰ】はじめに
「中国の台頭」という言葉を耳にするようになったのはいつ頃からだろうか。正確な時期は分からないが、転機になったのは2010年であろう。2008年のリーマンショック後に頭角を表した中国は、2010年には名目GDPの世界ランキングで日本を抜き、アメリカに次ぐ世界第二位の座に君臨したのだ。
中華人民共和国は1949年の建国から、土地革命、反右派闘争、大躍進運動、経済調整政策、文化大革命、改革開放政策と60年に渡り中国共産党が一貫して指導をしてきた。そして、2010年、ついに世界一の人口、世界第三位の面積に加え、世界第二位の国民総生産を誇る国となった。近年の中国は政治・経済・文化…どの角度から見てもその存在感を増すばかりである。
「中国の台頭」は長年続いていた西欧中心の国際秩序を揺らがすほどのものであり、アメリカのオバマ大統領はアジアを重視する方向に舵取りをしているまでである。このような国際情勢の中で、中国とアメリカの板挟み状態の日本は、どのような態度をとっていくべきなのだろうか。
このレポートでは、中国の対米外交を政治的、経済的側面から整理し、今...