HAPPYCAMPUS予想時事問題
※本レポートの目的は、学習情報共有として提供しております。最近の国際及び日本の重大になっているニュース記事を中心にまとめておきました。是非、ご活用ください。
【政治】 相続税、最高税率55%に引き上げ検討 政府・自民 所得税は45%に
2013年1月10日 日本経済新聞
政府・自民党は10日、2013年度税制改正で見直し対象となっている所得税の最高税率について、現行の40%を45%に引き上げる案を軸に調整に入った。相続税の最高税率も50%を55%に引き上げる方向で検討し、富裕層への課税強化を図る。詳細な内容は今後の税調協議で詰め、24日にとりまとめる与党税制改正大綱に盛り込む。
現行の所得税の最高税率は40%で、課税所得が「1800万円超」の部分に適用される。自民党税調幹部の一人は所得税の最高税率について日本経済新聞の取材に「45%は一つの案だ」と述べた。別の幹部は対象となる課税所得は「3000万円超か4000万円超だ」と語った。
公明党は格差是正を重視し、課税所得「3000万~5000万円」に45%、「5000万円超」の部分に50%を適用する改正案を策定。民主党は与党時代に「5000万円超」を45%と決めた経緯がある。自民党は党内調整が遅れていた。
民主、自民、公明の3党が合意して昨年成立した消費増税法は、格差是正のために所得税と相続税について「12年度中に必要な法制上の措置を講ずる」と付則に明記している。増税の時期は16年1月からが有力だ。
相続税も課税強化の方向だ。現在は50%の最高税率を55%に引き上げる案を軸に調整する。課税対象となる人が増える「基礎控除」の引き下げも検討課題だが、都市部で課税される人が増える基礎控除の引き下げには自民党内で異論が強く、今後、調整を進める。
昨年3月に民主党政権が閣議決定した消費増税法案は「基礎控除」を現行の「5000万円+1000万円×法定相続人」から「3000万円+600万円×法定相続人」に引き下げる案を盛り込んだが、自民、公明両党を含めた3党協議では調整がつかず、具体的な表現を削除した。
自民、公明両党は9日の与党税制協議会で大綱のとりまとめに向けた検討項目を決定。3党合意に含まれている所得税と相続税の見直しについても改めて確認した。
自民党は10~11日の税調幹部会合で両税の見直し策について党内調整を進め、11日午後までに意見集約する方向。同日夜に公明党と2回目の与党税制協議会を開き、自公間の調整を本格化する段取りだ。
3党合意に関わる両税の改正案は民主党を含めた3党で最終的に決める。自民党は来週中に安倍政権発足後初となる3党協議を開き、24日に税制改正大綱をまとめたい考えだ。
【社会】 社会保障:制度改革国民会議 保険「範囲」を議論
2013年1月9日 毎日新聞
政府の社会保障制度改革国民会議(会長・清家篤慶応義塾長)は、自民、公明両党の政権復帰を受けて近く本格的な議論を始める。厚生労働省は9日、高齢者医療費に対する現役の支援金について、給与の高い企業の負担が重くなる「総報酬割り」全面導入を見送ったが、国民会議では総報酬割りや年金支給開始年齢引き上げなどの先送りされた課題に加え給付抑制に向けて医療、介護をどこまで公的保険でみるかを中心に議論される見通しだ。
医療の世界はヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)の臨床応用に道筋がつくなど高度化が著しい半面、技術の進歩は医療費を押し上げている。厚労省によると、税と保険料で賄う医療給付費は2025年、今の35兆円から50兆円超に膨らむ。
自民党が主導した自民、民主、公明の3党合意には「保険でカバーする範囲の見直し」が含まれている。田村憲久厚労相は就任会見で「医療の技術進歩をどう保険でみていくか大きな議論が必要かもしれない」と語った。少なくとも風邪など軽症への保険適用を制限する保険免責制、薬局で自分で買える薬を保険から外すことなどは議論されそうだ。
一方で、医療費の膨張は所得の低い人を直撃する。今も高額療養費制度によって月額の自己負担には上限が設けられているが、長期にわたって高度医療を必要とする患者の費用負担問題は深刻化している。厚労省は上限額引き下げ、年間上限額の新設も検討する意向だ。課題は数千億円かかる財源で、消費増税分の使い道の一つに浮上する可能性がある。
介護では月額4972円までアップした65歳以上の平均保険料をいかに抑えるかが焦点。介護給付費は現在の8・4兆円が25年には19・8兆円に達する見込みで、介護の必要性が低い人、所得の高い人の自己負担割合(1割)の引き上げや、洗濯や調理など家事サービスの利用制限などが検討されそうだ。
年金に関しては、最低保障年金創設を柱とする民主党案は封印される見通し。社会保障給付費100兆円の半分を占める総額抑制が最大の課題で、給付を物価下落幅より引き下げることが検討される。支給開始年齢の1歳引き上げで税負担は5000億円程度圧縮されるため、原則65歳の支給開始を70歳近くまで遅らせることも議論の対象となりそうだ。
◆ 用語解説
▪ 人工多能性幹細胞とは?
人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells)とは、体胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性 (pluripotency)[注 2]と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。英語名の頭文字を採って iPS細胞(アイピーエスさいぼう:iPS cells, iPSCs)と呼ばれるほか、英語名の意訳で誘導多能性幹細胞(ゆうどう たのうせい かんさいぼう)[注 3]とも呼ばれる。幹細胞生物学者・山中伸弥率いる京都大学の研究グループによって、マウスの線維芽細胞(皮膚細胞)から2006年(平成18年)に世界で初めて作られた。
▪ 高額療養費とは?
高額療養費とは、日本において病院などの窓口で支払う医療費を一定額以下にとどめる目的で支給される制度。1ヶ月間(同月内)に同一の医療機関でかかった費用を世帯単位で合算し、自己負担限度額を超えた分については公的医療保険組合によって支給される。
原則としては、保険者に対し高額療養費支給申請書を提出することで自己負担限度額を超えた分について後に支給されるが、保険者によっては支給申請書を提出しなくても自動的に支給される制度を採っていることがあるため保険者に確認が必要である。
なお、入院に関しては、事前に手続きを行い限度額適用認定証の交付を受け医療機関に提示すれば、そもそも自己負担限度額を超えている分について医療機関に支払う必要がなくなった。
入院時の食事療養や生活療養、部屋代当の特別料金、歯科材料における特別料金、先進医療の先進技術部分、自費診療を受けて償還払いを受けた場合における算定費用額を超える部分など、保険外の負担については対象外となる。